冒頭から欲望を吐きまくる曲調はポップながらスピリッツがロックなナンバー。人間がたとえ頭に浮かんでもわざわざ口にしないような欲望を名詞で表現することであたかも欲望じゃないみたいに吐き続けるのが新感覚すぎて笑える。「あのラクダ乗りたいな」「あの髷切りたいな」めっちゃアホ。かたや「この夢追いかけたいな」と熱い部分も垣間見せる。ラクダと夢と髷を横並びにしてしまったり、1番これ言いたかったみたいに「知らないふりしたくなるお会計〜お会計〜!!」とことん真っ直ぐで馬鹿なコイツに異様なロックを感じる。コイツは君にも真っ直ぐ「Cたくなる」ロックをぶつけるのだが君の前でだけ生まれる「Cたくない」感情がまた良い。「嘘つきたくない」と。あれだけ「Cたくなる」を押し続けるロックなコイツも君の前では「Cたくない」が発動してしまうというかわいさがコイツにはある。最後にはハッキリと「踊ろうよ」と誘いかけるのだ。恋の前では、他の「Cたくなる」ものなんて全て同じようなものでラクダも夢も髷もお会計も同列なのだと言わんばかりのラブソングで幕を閉じる。そんなコイツの一連を想像するとこっちが踊りたくなる。
例えば何故か乗り気じゃない予定があって乗り気じゃない理由が分からんな、と思いながら家を出てスマホで音楽聴こうとシャッフルした時の一曲目にこのイントロ、そんなニュアンスで聴きたい一曲。乗り気じゃなかったはずの僕も乗り気になりたくなる。